丸和通信

家具の産地を訪ねて・・。

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こんにちは。
ひと雨毎に涼しくなり、秋分の日以降は日暮れが早くなるのを感じますね!
季節の変わり目ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
設計部の藤枝です。
9月に飛騨高山へ行ってきました。

私が所属するグループに家具メーカーから、新作発表会と家具工場見学のお誘いがあり
皆の仕事を考慮し、日帰りで行こう!とバイタリティのある先輩方に感化され・・参加。

計画が進んでいく中、折角だから泊まりで観光もしようということになり、
飛騨高山エリアと白川郷へ行く事となりましたので一部をご紹介いたします

一日目:会場は12社の家具メーカーの新製品を一度に見ることが出来て木工クラフトなどの展示会などもあり
大変、賑わっていました。
飛騨の民芸人形の『さるぼぼ』をモチーフに積み木として遊べる『つみぼぼ』
説明をして下さったスタッフの方が茨城に住んでいたという偶然も・・。

その後、家具工場とショールーム見学へ
家具を造る工程を見せて頂いた中、工程の中で職人さんが素手で材料を
確かめながら作業している姿が印象的でした。

二日目: 高山エリアでは、2カ所で朝市が行われるということで同室の先輩と7時から散策に出かけました。
11時頃まで開催しているようで、出掛けた時間は平日ということもあり少なく、近くの古い町並みエリアは
オープン前でしたが、朝の静かな趣きある建物を散策し鑑賞できました。

皆と合流して高山陣屋へ
江戸時代に郡代・代官が治政を行った場所で、御役所や郡代(代官)役宅、
御蔵などを総称して陣屋と呼んでいるそうです。
幕末には全国に60数カ所あったと言われている郡代・代官所の中で、
当時の建物が残っているのはここだけとのこと。

①青海波(せいがいは)の紋を施した壁や襖。海の波を模した縁起物の模様で古くは平安時代の雅楽の
衣装にもあしらわれた模様で、幕府直轄の高山陣屋ではふすまや壁などにこの模様を散りばめることで、
海の波のように終わり無くどこまでも無限に続く徳川の世をたたえることと、好まれたそうです。
現在も、襖紙やクロスでデザインが残ります。

②餅花・・正月、小正月に餅や団子をさして、一年の五穀豊穣を願う飾り

③炉がある和室 ここも青海波(お茶を嗜む同行の先輩曰く、出来る人が少ないとのこと)

④H27年に将棋の羽生名人が対局された場所と紹介されてました。
奥には御囲い(茶室) 切引手、床が印象的でした。
⑤屋根材(くれ) 熨斗葺(のしぶき) 柿葺(こけらぶき) 石置長榑葺(いしおきながくれぶき)と三種類の板材で
葺かれた屋根 雪国で瓦は損傷が起きてしまうので木材の生産地で容易に入手できるため
丁度、葺き替えをしている期間でした。

⑥真向兎というモチーフの釘隠し。兎が正面を向いていることから。
昔から人間に幸せをもたらす動物といわれ、幸福招来で用い、
さらに、大きな耳は民衆の声をよく聞き、良政を行う志を表したものとされ、治世の象徴とされ、
高山陣屋にはこの真向き兎の釘隠しが152箇所もあるそうです。

駅周辺を観光後、白川郷へ移動途中の高速入口で通行止め!!
再開通には2~3時間かかり、一般道も前日の台風で通行止め!

楽しみにしていた白川郷へ行けず落胆しましたが・・限られた時間で観光出来る場所を求め
白川村から一部、移築した重要文化財の合掌造りを見学できる『飛騨の里』へ
各民家では、農山村の生産・生活用具を数多く展示しているほか、わら細工、さしこなどの実演ができ
四季折々の催事も行っているそうです。10/20~11/11は紅葉のライトアップのイベントがあるようです。

合掌造りは、屋根裏を養蚕などの作業場として利用し、積雪が2メートルを超す雪国の自然との共存を考えた構造で
屋根の急勾配は(40~60°)雪下ろしの負担を減らし、水はけをよくする役目であるということ
結束するのはマンサクや荒縄の樹皮を、屋内の囲炉裏の煤が木材や荒縄を燻して丈夫にし防虫効果も高め、
主材料である茅は役目を終えると田畑の肥料になり、リサイクルできるという構造を間近で見ることが出来て
大変、興味深かったです。白川郷へは次回の楽しみとなりました。

飛騨以外にも家具の産地がありますし、木材料・用途別など色々な家具を
今後、ご紹介や提案を積極的に差し上げられればと思っております。