丸和通信
木の家をつくる大工さんの仕事
弊社では国産の無垢材を標準で使う木の家づくりをしております。
土台や柱、梁などの構造材はもちろんですが、下地材も無垢材、
内装の仕上げ材に関しても巾木、廻り縁、窓枠、建具枠、枕棚などなど
専門的な用語ばかり並べてしまいますが、すべて無垢材を使用しています。
既製品の材料とは違い、見える材料も大工さんがひとつひとつ手作りで仕上げてますが、
いったいどうやって作るのかな?!といった疑問の声が・・・
ちょうど良いタイミングで手作りの造作材の加工の現場があったので、疑問を解消させていただきます。
お客様の現場が進む大工工事の中で、大工さんが現場を離れる時のご説明をします。
お施主様には「大工さんは、今週造作の加工で現場をぬけております。また来週から現場に戻りますので、
どうぞご安心下さい。」
といったご説明をさせていただいております。
造作材の加工=巾木、廻り縁、窓枠、建具枠、枕棚、収納の棚、キッチンカウンターなどを指します。
大工さんの作業場で加工はしますが、お客様にはなかなか見ることができませんのでご紹介させていただきます。
大工工事の中盤ぐらいから、造作材の準備を行っていきます。
図面を見ながら必要な長さと厚さ、数量の拾い出しを行い、材木屋さんに注文します。
注文した材料がこちらです。
まだザラザラした荒木といった少し大きめの材で運ばれます。
製材されたままなので、乾燥の間反りや曲がりがあるためとてもこのままでは使えません。
この材を大工さんが造作材の仕上げになるまで手間をかけて仕上げていきます。
まずは木どりを呼ばれる作業から行います。
なるべく無駄のないように使う材料を切る順番を考えながら行います。
木どりした状態がこちらです。
使用する箇所箇所で番号をふりながら行いますが、
玄関の材料は①でキッチン収納は②という感じで分かりやすくまとめます。
写真でもわかる通りザラザラですね。これが木の柔らかさが感じません。
次の作業はこちらです。
手押しかんなとよばれる高速で回る刃物がついた機械に木材を通していきます。
ここでは木材の一面を基準として直角を作るために行いますが、
他にも反りや曲がりを無くすためにも行うそうです。
続いてはこの作業です。
直角が決まると自動かんなの機会に使用する場所に合わせて厚みを決めて木材を通します。
同じ木の種類でも乾燥する中で厚みのばらつきもあるので、一定の厚みに調整することで
きちんとした木材に仕上がります。
これで完成?と思いますがまだ続きます。
木材の表面を薄く削りとってつるつるに仕上げることができる、超仕上げかんな盤とよばれる機械に
木材を通すことで柔らかい木の質感に仕上がります。
自動かんなで削った面には、ローラーの跡や逆目こぼれ、繊維のつぶれなどがあり、
良い仕上げ面をつくるには仕上げ削りが大事になってきます。
最終的な完成はこちらになります。
機械が自動でつくられるものとは違い、大工さんが手間をかけてつくり、技術のつまった造作材です。
そんな苦労を考えてみると家を大切にしようと思いました。
加工は大変かと思いますが、大工さんいつもありがとうございます。
このブログでお施主様の「造作材の加工ってなにしてるの?」という疑問も
解消されましたでしょうか?!
家づくりでは疑問な点やわからないことも多いかと思いますが、
どんどん質問していただければと思います。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。工事部の稲見でした。